40代直腸疾患(GIST-稀少がん)の超低位前方切除、一時人工肛門、人工肛門閉鎖後の排便障害を中心とするブログ

GISTとよばれる稀少がんを直腸に患った40代イクメンの稀少がん治療や育児や趣味を綴るもの

人工肛門閉鎖からもうすぐ1年です。

久しぶりのブログ更新です。

人工肛門閉鎖から6か月目、10か月目、昨年末、いろんな節目で「ブログを書こう書こう」と思いながら、なんとなく気が乗らずダラダラしていました。

 

人工肛門閉鎖からもうすぐ1年経ちます。その後の状況などをアップしたいと思いま

す。

 

GISTのその後

 GISTに関しては、再発を予防するためにグリベックという抗がん剤を毎晩飲んでいます。再発や転移がないか調べるために半年に1回CTを撮っていますが、今のところ再発なしです。

 

排便障害の状況


 結果から書くと、最初は地獄の苦しみを味わった排便障害も、随分改善されました。本当にありがてえこってす。

 最近はよほどのことがないと漏らさなくなりました。漏らさなくなってお尻に痛みを感じることもなくなりました。「よほどのこと」というのは、お腹の調子が悪い時にトイレがすぐ使えない時です。それもパットに少しつくかどうか程度なので、以前ほど深刻ではありません。
 こないだあったのは、近所に買い物に出たときに便意を催したため、公園のトイレに駆け込もうとしたら、その日が超VIPが近所にいらっしゃる日で、警官から「テロ対策で今日はトイレ使えません」と追い返された時…漏れちゃいました。

 人工肛門閉鎖から最初の7か月間はとにかく神経質になってましたが、「随分よくなったなあ」と感じることがたまにあって、これまで3回大きな改善を実感する機会がありました。

 最初に「ああ、少し良くなったな」と感じたのが8月中旬。「しばらくの間は絶対に漏らさない」とわかり始めたため、ホテルの大浴場に入ることができた時でした。

 次に「しっかり管理すれば絶対大丈夫」と自信を持ったのは10月のことでした。ラグビーワールドカップを3試合観戦しましたが、いずれも夜の試合。日本-スコットランド戦にいたっては試合終了が22:00。いつも夜お腹の調子が悪くなるため、「最後まで観戦は無理かなぁ」とあきらめ半分でしたが、前日から食事を控え気味にし、下痢止めを予防的に飲むなどして、しっかり管理できたのが大きな自信になりました。

 そして、12月中旬。「もうパットいらんやろ」という時間帯が増えた時です。パットをつける時間が随分短くなってきました。「もしかしたら、、、」と心配なときは念のためパットをつけますが、漏らすことはなくなってきました。

 仕事もほとんど休まずに行けています。4月からの9か月間で、通院での有休取得日が4日、家の用事で2日休み、体調不良(ずる休みに近い)での休みが3日、ということで、この9か月間で自己都合による有休を9日しかとらずに乗り切ることができました。出張で工事現場の点検などに出向いたりしますが、トイレのない現場でも全然問題なく過ごしています。「食事管理さえしっかりしておけば」トラブルが起こることはほとんどありません。

 子どもの幼稚園の行事もすべて問題なく参加することができました。運動会、お遊戯会、問題なしです。

 

いまだにダメな食べ物

 基本的に何でも食べられるようになりました。最初は腸閉塞がこわくて食べることができなかったきのこや海藻、タケノコなどの根菜も最近は気にせず食べるようになりました。辛い物や揚げ物も気にせず食べます。私の胃腸は香辛料や油物には強いようです。こないだはケンタッキーのオリジナルチキン3本とカレーライスを夕食に食べましたが、トラブルはありませんでした。

 しかし、どうしても排便状況を悪くしてしまうものが2つだけあります。博多系豚骨ラーメンとビールです。

 豚骨ラーメン以外のラーメンはそんなに大きな問題はありません。かなり辛めの担々麺を食べても大丈夫です。でも豚骨ラーメンだけは本当にダメです。食後4時間後くらいから強烈な下痢が始まります。これは漏れてしまいます。「油物はそんなに悪くないのに・・・、」と疑問でしたので「麺に入っている"かんすい"が原因かな?」と考え、先日久しぶりに博多系豚骨ラーメンに挑戦した時にはスープは全部残し、麺と具材だけ食べたのですが、この時も4時間後から激しい下痢に。やはり私の胃腸はかんすいに弱いようです。

 ビールは炭酸がダメです。下痢というよりはガスが出るのがつらいです。これは感覚的なものなので表現しづらいのですが、ビールを飲んだ後はおならは出やすいのですが、ビールを飲んだ後だけは本当に気持ち悪い(おしりに違和感を感じる)感じのおならがでます。でも好きなのでビールは飲みます…。

 

薬など

 ミヤBMという整腸剤は毎日飲んでいます。「絶対に失敗したくない」という時だけ予防的にロペラミドという下痢止めを飲みます。効き目はよくわからないのですが、お守りみたいなものです。ロペラミドを飲むのは月に1回くらいです。

 最初のころは排便後にサニーナを塗っていましたが、肛門に痛みがあることが少なくなってきたので、サニーナはすぐに辞めました。アズノールという塗り薬は人工肛門閉鎖後半年間くらいは使っていましたが、肛門がかぶれることもなくなってきたため、全く使わなくなりました。

 

今思うこと

 こんなブログですが、アクセスしてくださる方もいらっしゃいます。最近はブログを更新しなくなったためかアクセス数も少ないようですが、それでも1週間に1日くらい、50件くらいのアクセスが急にあることがあります。このような方は「GISTなどについて検索した結果私のブログにたどり着いてくださった方かなあ?」と考え、そう考えると「まじめにブログを書こう」と考えていました。そして病気に関係すること以外のことは書くのを極力控えてきました。もし病気に関して調べてくださった方がこのブログをご覧になられたとしたら、病気以外のことが煩雑に書かれていると見づらいかなと考えていました。

 しかし、病気のこと中心に書くのは今回で終わりです。次回ブログを書くとすれば、日記のような雑記としたいと思います。「排便障害もひと段落つき、GISTも再発しない限り、これ以上書きたいことがない」ためです。

 人工肛門閉鎖後の生活を心配する私に、GIST摘出を行った千葉県の病院でも、人工肛門閉鎖を行った地元の病院でも、看護師が同じことを言いました。「排便障害に関してブログや掲示板から得られる情報を気にしすぎないように。状況が悪い方が書き込むケースが多いように思える」。この話が当てはまっているのがどうかわかりませんが、私も状況が良くなるにつれ、病気についてブログを書くのが億劫になってきました。ブログを始めた当初、気持ちを文章にすることで、気持ちを落ち着けていた気がします。しかし、今は病気のことを考えるのではなく、もっと新しいことにチャレンジしたいという気持ちのほうが強くなってきました。なので、病気に関するブログは今回でひと段落です。

 肛門温存か、人工肛門か、この選択ができる場合、「どちらの選択がいいのか?」今でも結論付けることはできません。人工肛門のころはやはり煩わしさがありましたが、「漏れ」に対する心配ははるかに少なかったです。「人工肛門だったら、もっと外に自由に遊びに行けたかなあ」と思うことも多いです。ただ、私の場合は人工肛門時代にいまいち装具があっていなかったためか、体質的な理由からか、肌トラブルを起こしたこととストーマ部の閉塞を経験しましたので、人工肛門の辛さも味わってしまいました。そう考えると、「肛門温存で正解だったかな」と思うことも多いです。

 肛門温存か、人工肛門か、正直どちらも不本意です。でも、「どちらになったとしてもなんとでもなる」という気持ちもあります。人工肛門閉鎖後の生活はどうしようもなく不便でしたが、徐々に良くなる排便障害の状況に「人間の体の不思議」に感動し、喜びを感じながら生活できたのはとても貴重な経験でした。

 よくよく考えれば、私の人生、不本意なことも多い人生です。でも、不本意なことも「それもよし」と受け入れ、「それをも愛する」ような人生、前向きにいきたいと思います。