40代直腸疾患(GIST-稀少がん)の超低位前方切除、一時人工肛門、人工肛門閉鎖後の排便障害を中心とするブログ

GISTとよばれる稀少がんを直腸に患った40代イクメンの稀少がん治療や育児や趣味を綴るもの

直腸GIST摘出後の一時ストーマ(一時人工肛門)生活

 昨年9月に直腸のGISTを超低位前方切除術で摘出・一時人工肛門(小腸)を造設した後、今年1月に人工肛門閉鎖をするまでの間、4か月間ストーマでの生活を送りました。その間の生活を簡単に振り返りたいと思います。

 

1.漏れは就寝中の1回のみ、概ね生活に困らない。

 GIST摘出後の入院中に看護師団が本当によくストーマ装具の選定をしてくださったおかげで、概ね生活に苦労することはありませんでした。生活の制限も「うつ伏せで眠れない」という程度しか記憶にありません。いざという時に備え、最初のパウチ交換時に妻に交換の仕方を見てもらいましたが、妻が私のストーマを見たのはこの時だけで、その後は誰にも手伝ってもらうことはありませんでした。

 ストーマでの生活中に飛行機移動・ホテル宿泊での千葉の病院への診察も一人で経験しましたし、九州から関西へのJR移動での出張も経験しましたが、特に問題になることはありませんでした。外食も全く気を遣わずにできました。ガスの音が目立つような非常に静かな場所での飲食は難しいかもしれませんが、そんな格式高いところにはいかないので問題はありませんでした。

 ただ、就寝中に一度だけパウチが満タンになったのに目が覚めず、パウチがパンパンになって行き場をなくした便が面板と肌の間から大漏れするということを経験しました。面板が剥がれる時の痛みですぐに起き上がり浴室に向かいましたが、間に合わず、ももひき・パジャマを汚してしまいました。

 パウチ交換は2日に1回交換。この後に書く2度目の肌トラブルの後の1週間は毎日パウチ交換を行いました。。私の場合は起床後から午前11時までの排便量が少なかったので起床後すぐにパウチを交換していました。交換中に排便があったこともありましたが、都度洗い流し、拭き取ることで大きなストレスになることはありませんでした。ラッキーなことに、パウチを貼る寸前に排便があったことは一度もなかったため、パウチをダメにすることはありませんでした。排便量が少ない時にパウチを交換すれば大きなストレスを受けることになることは少ないともいます。

 

2.皮膚トラブルに苦しんでしまう

 皮膚トラブルは一進一退でした。大きく悪化したのは2度、一度悪化すると治るのに時間を要しました(結局完全に皮膚が良くなることはありませんでした)。2度に共通することは、パウチ交換を3日おきに変更してからすぐに生じたということでした。おそらく「目に見えない程度でパウチの面板と皮膚との間に便が入り込んでしまっていたのかなぁ。」と思っています。

 1度目の皮膚トラブルは退院後3週間経った頃。退院直前のパウチ交換時に看護師から「これであれば3日おきのパウチ交換で大丈夫そうですね」と言われていたのですが、会社にいる間に漏れては心折れそうなので、2日に1回の交換で何事もなく過ごしていました。しかし、何も問題が起きなかったため、10月下旬にパウチ交換を3日に1回に変更したら、すぐに皮膚トラブルが出ました。とにかく痛い。そして、その後39℃を超える熱が出ました。今考えると「感染していたのかな?」と思います。熱は2日間で下がり、痛みもマシになりましたが、痛みは完全のは取れず面板下の皮膚も赤紫色に変色し、皮膚の一部に穴が開いて膿が出る状態になりました。後で知ったことなのですが、「皮膚の一部に穴が開いて膿が出る状態」になると熱が下がり、痛みも和らぐようです。パウチ交換のたびに膿を出し切ることが大事とのことで、それを実施しましたが、生活に悪影響があるほどではありませんが、完全に良くなることはありませんでした。

 2回目の皮膚トラブルは12月末でした。この後に書きますが、12月上旬にストーマ部の閉塞で入院した際にストーマ看護師にパウチ交換を見てもらった際に「これだったら3日間パウチ持ちそうだね」ということをおっしゃって頂き、2日おきにパウチ交換していたのを3日おきにした途端、またもや皮膚トラブルが。前回の痛みよりも激しく、病院に電話をし、その日のうちに診察してもらいました。ストーマ看護師も「皮膚トラブルがここまでひどくなるのは珍しい」ということでリンデロンという塗り薬を処方してもらいました。この薬を塗るのと、パウチ交換を毎日行うことで、皮膚の痛みはなくなり、徐々に皮膚は治っていきました。

 私の場合、看護師さんの見立てよりも皮膚が弱かったらしく、パウチ交換を3日おきに変えることが悪さをしたようです。

 

3.ストーマ部の腸閉塞による入院を経験する

 術後2か月少々が過ぎた12月上旬。月曜日の夜から激しい下痢が始まり、下痢が治らず、焦りながらも今まで通りの生活をしていましたが、下痢は治らず。そして金曜日に下痢が収まったものの、その後、便もガスも全く出なくなり。土曜日もお腹の張りを感じながら一日中ゴロゴロしていましたが、排せつはなく、そして土曜日から日曜日に差し掛かる夜中に嘔吐してしまいました。「腸閉塞なんだろうなぁ。歩けば腸が動いて便が通るかなぁ?」と思い、深夜の散歩に出かけましたが、散歩しながらまた嘔吐、お腹の張りも我慢できなくなってきて夜が明けるのを待って(「夜間緊急外来も夜中はゆっくり休みたいかなあ」と無駄な配慮)、朝6時に病院に電話し、当直ドクターから「すぐに来てください」ということで、通院。採血・レントゲン・CTの結果、「腸閉塞」の診断となり、すぐに入院しました。

 脱水症状も激しく、その日は絶食・点滴で様子を見ましたが、一向に改善しないまま月曜日を迎えました。主治医の見解は「ストーマの直前で詰まっているので、ストーマからチューブを入れてみよう」ということで処置してもらうと、チューブから便とガスが出るわ出るわ。無事閉塞解消です。その後は食事を栄養ドリンクから始め食事内容を重くしていきながら様子を見て、無事1週間で退院しました。あとで調べると、どうやら長引いた下痢のせいで腸がむくんでしまい、閉塞した模様です。下痢の時点で通院すべきでした。

 下痢の原因は…、今考えると「疲れていたのかなあ?」と反省しています。ストーマ閉鎖後の今でも週末に疲れがたまると下痢気味になるので、疲れと下痢はリンクしているように思えます。

 「もう少し仕事をセーブしておいたほうがよかったのかな?」と思っています。

 

 皮膚トラブルとストーマ閉塞の内容が多くなりましたが、皮膚トラブルは痛みがあった時期もありましたが、仕事や外出に影響が出るほどではありませんでしたし、ストーマ閉塞も1週間のロスだけでしたので、それ以外の時間は普通に楽しむことができました。