40代直腸疾患(GIST-稀少がん)の超低位前方切除、一時人工肛門、人工肛門閉鎖後の排便障害を中心とするブログ

GISTとよばれる稀少がんを直腸に患った40代イクメンの稀少がん治療や育児や趣味を綴るもの

遠方で手術を受けるということについて

 私は腫瘍の摘出を千葉県にある病院で受けました(私自身は九州在住)。妻と5歳・1歳の娘との4人暮らしの中で、遠方である千葉の病院で手術できるのか?「GISTの手術は経験豊富なドクターのいる病院で」というのはネットや患者仲間からのアドバイスで十分心得ていましたが、特に経済的な面で不安があり、最後まで悩みました。

 そんな私を千葉の病院で手術を受けるよう背中を押してくださったのは、大きく御二人の恩人の言葉でした(その他にも私の背中を押してくださった方はたくさんいましたが、その中でも「この御二人は」という御二人です)。

 

 一人目は、GIST患者会主催の勉強会で個別相談を受けてくださったGIST専門医の方です。7月にネオアジュバントが不発だったと発覚した翌日が運よく勉強会だったのですが、そのGIST専門医の個別相談会で言われたことは、

「正直、私も『どこの先生が腕がいいか?』というのはわからないので『この病院で手術を受けることを勧める』ということはできません。ただ、ご自身で懸命に任せることができそうな病院を探してください。2か所でも3か所でも4か所でも、納得ができるまで日本中の病院を探してください。入院はたった2・3週間で終わります。それが一生を左右するのであれば、とにかく納得できる病院を探してそこで受けるべきです。」

 

 そして、もう一人は私がいつもアドバイスを求める患者仲間の方(GIST患者の奥様で医療従事者の方です)でした。9月に「千葉の病院で手術を受けたい。でも本当に受けることができるのか?」悩んでいた時に、この方がおっしゃったのは、

「大丈夫。お金のこととか、家族のこととか、仕事のこととか、いろいろ心配だと思うけど、そういうことは無事手術が終わった後に、きっといい結果がついてくる。お金とか家族とか仕事とか、なんとでもなると思っておいたほうがいい。」

 

 結局この御二人の言葉に背中を押してもらって、最終的に千葉の病院での手術を受け、うまくいきました。本当に感謝しています。

 

 ただ、手術には身内の待機が必要であり、そこは悩みました。妻に同行してもらうと、娘二人も同行する必要があり、経済的に大変なことになるかなと。そこで離れて住んでいる母親に千葉への動向をお願いしました。母親の千葉滞在は4泊5日。交通費およびホテル代で7万円+食事代くらいかかりました。

 退院時は付添いはお願いせず、私一人で千葉から九州まで帰宅しましたが、これも本当に良かったのか?決して他人にお勧めできることではありません。

 

 あと、この千葉の病院は退院の条件に「地元に帰った後になにか問題が起こった場合に『この病院が診てくれる』という病院と連絡を取っておくこと」というのがあります。私は地元の主治医とそこそこうまくいっていたので、そこの病院に電話し、術後フォローをお願いしたい旨を伝え、了承してもらったことで、無事退院できました。

 

 また、入院中に何かあった場合、家族に千葉に来てもらう必要があるというリスクもあります。私の場合は運よくそういう事態になりませんでしたが、万一の事態に備えておく必要があります。

 実際、私と同室の患者さん(かなりご年配)、急に容体が悪化しICUに運ばれて行きました。その際、ドクターが「すぐに家族を呼んで!」というドラマのようなシーンも目の当たりにしてしまいました。

 

 「そのあたりのリスクも考慮しながら、遠方での手術について、どういう風に対応するか慎重に検討する必要があるのかなぁ。」と思います。