40代直腸疾患(GIST-稀少がん)の超低位前方切除、一時人工肛門、人工肛門閉鎖後の排便障害を中心とするブログ

GISTとよばれる稀少がんを直腸に患った40代イクメンの稀少がん治療や育児や趣味を綴るもの

直腸GIST 国立がん研究センターでのセカンドオピニオン

随分更新を怠っていたこのブログですが、少しづつ再開していきたいと思います。

「GISTしかも直腸なんて、興味のある方はほとんどいないだろう」と考えていましたが、ブログ更新をやめて3ヶ月以上経つ今でも週100件を超えるのアクセスを頂くこともあり、「これからも時間を見つけて私の治療状況などを共有していければなぁ」と思っています。

 

さて、7月のCTにて私のネオアジュバント(手術ができるように/より低侵襲で行えるように、手術前に抗がん剤を服用し腫瘍を小さくすること)が不発だったことは以前ブログに書いた通りです。

mainichidaikichi.hatenadiary.jp

 

 

 この結果を受けて、8月後半に国立がん研究センター中央病院セカンドオピニオンを受けてきました。

 地元の主治医の治療方針で「肛門温存手術は困難で骨盤内臓全摘を視野に入れたMiles(肛門ごと腫瘍を摘出する)妥当。もう3ヶ月グリベックでネオアジュバントを行い、その後手術。状況によってはさらにネオアジュバントを続行。」という内容に納得ができなかったため、セカンドオピニオンを受けようと考えたのでした。

「できれば骨盤内臓全摘は避けたい」という気持ちもありましたが、それで完治するのであれば仕方ないと受け入れていました。しかし、「腫瘍が縮小していないのに、あと3ヶ月間ネオアジュバントを続行して、腫瘍が増大傾向に転じたら、手術自体出来なくなるのではないか?」という不安が大きかったのです。

 

 悩んだのは、どなたのセカンドオピニオンを受けるか?セカンドオピニオンは東京の病院のドクターにお願いしようと思っていましたが、セカンドオピニオン自体が保険適用外で高額な上、東京までの航空券でさらなる出費も痛く、何人のドクターにも話を聞きに行く余裕はないのです。

候補は2人。GISTに関する権威的存在であるドクターか、直腸手術で有名な大腸外科医か。まず「私の腫瘍が手術で取り切れるものなのか?」ということがわからないとその後の治療方針も定まらないと思い、大腸外科医のセカンドオピニオンを受けようと思いましたが、「GISTの権威的存在であれば、直腸GIST症例も多くご存知のはず。ある程度は腫瘍がどのような状態かお分かりになるはず。なにより、ネオアジュバント戦略が正しいかを質問するのが最優先」ということで、国立がん研究センター中央病院にいらっしゃる権威的存在のドクターのセカンドオピニオンを受けることに決めました。

 

 地元主治医にセカンドオピニオン受診を申し出て、早速希少がんホットラインへ電話。直近の対象日はは予約で一杯、お盆はセカンドオピニオンは受け付けていないようで、盆明けの都合のいい日でセカンドオピニオンを予約。

 自分で書くのも気が引けますが、準備は万全、聞きたい内容についてあらゆる回答を想定し、それをフロー化して、どんな見解が出ても焦らず対応できるように準備しました。正直、仕事でここまで入念な事前資料を作ったことはありません^^:)。「人間切羽詰まるとここまでできるんだなぁ?」と感心しました。

セカンドオピニオンで必ず聞きたいことは下記。

1.自分の腫瘍はどういう状況なのか?手術不能GISTか?骨盤内臓全摘まで視野に入れれば腫瘍は取り切れるのか?骨盤内臓全摘は避けられるものではないか?まさかとは思いつつも肛門は温存できるものではないか?

2.手術で腫瘍が取り切れるのであれば、ネオアジュバントはいつまで続けることが妥当か?

3.この手術を得意にしている病院を教えて頂けないか?

 

せっかくGIST専門医にお話を聞ける機会なので、その他にも聞きたいことを箇条書きにしてセカンドオピニオンに臨みました。

 

 セカンドオピニオン当日、自身は鼻息フンフン、緊張マックスで指定時刻の2時間以上前に病院に到着。早く着いても診察が早く始まるわけでもなく、診察が始まったのは予約時刻を10分過ぎてから。病院とは待ち時間が長いもの。病院通いが始まってからというもの、10分や20分の遅れではなんにも思わないようになりました。

 

まずはドクターに挨拶。

私:よろしくお願いします。緊張しています。口下手なので聞きたいことを書き出してきました。堅苦しいですが、ご容赦ください。

ドクター:はい。私も口下手なんですよ。

って、このドクターの講演動画を事前に観ていた私は「どこが口下手やねん?」と心中ツッコミ。

 

その後、準備していた質問を何も出来ないまま、沈黙の時間が。ドクターが画像データを無言で、じーっとご覧になっている。数分後、「残せるなぁ。」の一言。 

私:骨盤内臓全摘をしなくてもいい可能性ありますか?肛門はもう諦めてるんですが、その他の臓器は出来るだけ残したくて。

ドクター:いや、肛門も残せるんじゃないかなぁ?

私は内心「エ〜〜〜ッ?そりゃないわ。地元主治医は肛門温存は無理って言ってたし」と思いながらも、摘出不能GISTでなさそうなことに安心。

 ドクターは「私は大腸外科の専門じゃないから、大腸外科医に話を聞いたほうがいい。肛門温存だと自宅の近くなら□□病院がいいかもしれないけど、GISTやってるかなぁ?うちの〇〇先生か、国立がん研究センター東病院の△△先生がいいと思う。」ということで、こちらから何も質問していないのに、上記の「必ず聞きたいこと3つ」のうち2つが解決。やっぱり、経験豊富なドクターは、患者が質問したいことはおわかりなんですね。

 

あとは、手術の時期。これについては、あまり先に延ばしても意味がないとのこと。これらのことを地元主治医宛の手紙に書いてくださりました。

 なんというかですね。地元(田舎)のドクターって、「患者に知識なんてない」と相当下にみていると思うんです。患者の言うことをまともに聞いてくれないドクターもいる中で、こういう権威的ドクターから手紙を書いてくださるのは非常にありがたいです。

 

この後、箇条書きにした質問を山のようにして、その答えを聞いて「これからいろいろ忙しくなるなあ」帰路に着いたのでした。

 

結果的には、国立がん研究センターにきて大変大きな収穫を得ることができました。セカンドオピニオン費用と溜め込んんでいたマイルの放出は痛かったですが、命には変えられないですからね。