40代直腸疾患(GIST-稀少がん)の超低位前方切除、一時人工肛門、人工肛門閉鎖後の排便障害を中心とするブログ

GISTとよばれる稀少がんを直腸に患った40代イクメンの稀少がん治療や育児や趣味を綴るもの

強く望む、がん患者の傷病手当の分割取得

 直腸GISTを患い、数か月後の手術に向けてネオアジュバント中の私ですが、今日は、がん患者として、ぜひ制度変更をお願いしたいことを記事にしたいと思います。

 それは、傷病手当の分割取得です。

傷病手当とは

 「傷病手当」の存在自体、GIST罹患前の私は知りませんでしたし、健常に過ごされている方の多くはご存じないでしょう。
 傷病手当金というのは、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に健保から支給されるものです。
 ざっくりいうと、3日間連続で休んだ後の休みの日から支給され、標準月額報酬の2/3が支払われます。傷病手当金が支給される期間は、支給開始した日から最長1年6ヵ月です。ちなみに、大企業の健保などではその健保独自に上乗せ支給があったり厚い手当てがあるようなことろもあるようです。

 病気で会社を休んいる間にこのような制度があると非常に助かります。

しかし、この制度、ぜひ変更してほしいことがあるのです。

 それは、支給期間が「支給開始した日から」最長1年6ヵ月という点なのです。
 1年6ヵ月分支給されるということではなく、1年6ヵ月の間に仕事に復帰した期間があり、その後再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合でも、復帰期間も1年6ヵ月に算入されます。
 例えば、がん初発時に手術の際、1か月間ほど会社を休み傷病手当を受給すると、その2年後にがんが再発しても傷病手当は受給できないということになります。
 がんの治療が本当に大変なのは、再発や転移が見つかった後だと考えています。しかしながら、がん初発時に傷病手当金をわずかな期間でも受給してしまうと、受給開始1年6ヵ月後を過ぎれば傷病手当はもう受給できないのです。

 であれば、例えば初発手術時に1か月間だけ会社を休む必要があるのであれば、私はこの期間は傷病手当金を受給せずに、万一の場合のために傷病手当金を受給する権利をとっておきたい。そう考えるのですが、それもうまくはいかないのです。会社からすると、後々、関係機関から「なぜ傷病手当金受給対象者であるのに、傷病手当金を受給する手続きをさせなかったんだ?」と追及される恐れがあるというのです。

これを私に当てはめると

 傷病手当金の問題、私のような直腸GISTや直腸がん患者にとっては、手術後の排便障害により相当期間会社を休まないといけないため、本当に厳しいです。再発時の傷病手当金を諦めて初発手術後傷病手当金を受給してじっくり会社を休むか、傷病手当金を再発後に受給できるように初発手術後便漏れがあるような状態でも無理して職場復帰するか、究極の選択を迫られることになります。いずれにしても、「安心できる生活」とはほど遠いものです。

 傷病手当金が分割受給できればいいのに」私の希望はこれだけです。がん患者が安心した生活をできる制度の一環として、ぜひこの制度を実現してほしい。

分割取得を認めると健保の負担は増える?

 傷病手当金の分割受給については、古くから多くの方が声をあげれれていますが、まだまだ道のりは長そうです。
 健保の負担を考えると、制度変更を容易に認めれれないというのも理解できます。しかし、制度変更によって、健保の負担はそれほど大きく変わるでしょうか?
 私の場合、排便障害がきつく、有給休暇で休暇期間を賄えずに傷病手当金を受給することになれば、1年6ヵ月、ほぼフルに会社を休み、リハビリに専念します。しかし、分割取得が可能であれば、傷病手当金受給期間は長くても数か月間で済み、再発がなければさらなる傷病手当金受給は不要となります。
 決して健保の負担が増えるケースだけではないと考えます。

そもそも何のための傷病手当金

 それは、病気やケガをした労働者やその家族が、ハンデを抱えながらも安心した生活を送ることができることを目指したものではないでしょうか?であれば、傷病手当金の分割取得が可能となるようにぜひ制度を改正して頂きたいのです。

「傷病手当の分割取得」をアピールしてくださる政党・政治家を応援します!

 この機会に、各政党がどのような動きをしているか調べたり教えてもらったりしました。
 私が調べた範囲では、自民党三原じゅん子議員は委員会などで傷病手当金の分割取得が可能になるように議題にしてくださっています。三原議員は自らも子宮頸部腺がんを体験しており、がん患者のための法整備を目指されています。
 また、公明党の伊藤渉議員も2017年度の衆議院予算委員会で分割取得が可能になるように訴えていらっしゃいます。

 正直、私はこれまで、三原じゅん子議員にも公明党にも、あまり良いイメージを持っていませんでした。しかし、これからは「傷病手当の分割取得」を訴えてくれている国会議員や政党は積極的に応援したいと考えています。

 また、私が所属している労組が支援している政党についても、機会があればその政党のスタンスを聞いてみたいと考えています。「労働者の味方」であるはずの政党が傷病手当の分割取得に関心がないようであれば、その政党のサポーターはやめます。

政治家・公務員はぜひ、国民のために働いて下さい!

 折しも、この記事を書いている2018年7月5日、ニュースでは文科省局長の汚職事件(自分の子どもが医大に入れるよう便宜を図った)が大きく取り上げられています。政治家・公務員には、自分の利益のためでなく、ぜひ国民、それも弱者が喜ぶような仕事をして頂きたいと思いますが…。期待するだけ無駄なのでしょうか?