40代直腸疾患(GIST-稀少がん)の超低位前方切除、一時人工肛門、人工肛門閉鎖後の排便障害を中心とするブログ

GISTとよばれる稀少がんを直腸に患った40代イクメンの稀少がん治療や育児や趣味を綴るもの

人工肛門閉鎖手術退院後、創感染で再入院

 さて、前回のブログで人工肛門閉鎖術について記事を書きましたが、その後トラブルが起こってしまいました。手術前の説明でも聞いていましたが、術後合併症の一つである創感染にかかってしまいました。術前の説明では5%の確率で起こるということで、「それほど驚くことでもないのかなぁ」という思いです。

 

↓前回の日記

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 1/30(水)に人工肛門閉鎖術の入院から退院しましたが、翌日の1/31(木)午後から40℃近くの高熱が出てしまい、我慢していましたが、2/1(金)になりお腹の手術傷部に痛みも出てきて、2/2(土)になっても収まらないため、病院に電話をして診てもらうことに。

 採血・CTの結果、創感染(手術傷が感染)ということで、炎症を示すCRPという数値が20を超える状態で、かなり良くないとのこと。当直のドクターから「どうせ処置は月曜日にならないとできないだろうから、月曜日になるまで抗生剤を自宅で飲む?それとも入院して点滴生活にする?」と聞かれましたが、どちらにしても排便障害がきついため、退院後の1週間は会社を休もうと考えていましたので、自宅療養より安心な入院を選ぶことにしました。

 そして入院後にラッキーなことが!その日は休日にもかかわらず、大腸外科のドクターが1人勉強会参加のために病院に来られていたのでした。その先生がその日のうちに傷口を切開してくれて、膿を出してくれるという処置をしてくださいました。処置後には、傷の痛みはほとんどなくなり、楽になったのでした。

 その後は毎日2回の抗生剤点滴と1回のガーゼ交換をするだけの生活になりました。食事制限もなし。楽な入院生活のはずでした・・・。

 排便障害がとにかくきつく、1日に30回以上はトイレに駆け込む生活をしていました。たいていはトイレに入る前に漏らしているのですが…。パットの上にティッシュを敷いてパットが汚れなければラッキー、パットが汚れてしまうと都度パットを変えないといけないので、経済的にも痛かったです。

 

 2/7(木)に抗生剤の点滴が終わったため、シャワー浴が認められ、入院から1週間後の2/9(土)に無事退院できました。

 

 退院後も用心して2週間後の外来診察で許可を受けるまでの間はシャワー浴で済ませ、外来診察で許可が出たのちに晴れて入浴できるようになりました。

1/21 人工肛門閉鎖術手術

 さて、人工肛門での生活になって4か月近く経った1/21に、いよいよ人工肛門を閉鎖することとなりました。千葉での手術は負担も大きいため、人工肛門閉鎖は地元の病院で受けました。

 12月下旬の外来時に肛門から指を入れての直腸診で肛門狭窄が起きていないことを確認したのち、年明けの1/4にレントゲン・呼吸器検査・CT・歯科検診など一式を終え、入院を迎えました。

 1/20の午後から入院です。ちなみに、他の方のブログなどで人工肛門閉鎖後の大変さを読んでいて、「手術後は外食するのも難しそうだなぁ。」と思っていたため、入院前日の夜は家族で、1次会:カジュアルフレンチ、2次会:海鮮居酒屋、でたらふく飲食を済ませました。

 

1/20

昼食(軽めにうどん)を自宅でとった後、入院
血液、血圧、体重(68.9kg)、酸素、熱などを測る。
マグコロール(液体下剤)を飲む。
ヘソの掃除
夜、錠剤の下剤を飲む

 

1/21
体温など測定
シャワーを浴びる
点滴をする

12時過ぎに手術室に呼ばれ、麻酔が覚めたのは17時前。

手術後
酸素マスク、尿ドレーン、傷ドレーン、心拍計、酸素測定、足マッサージ

 

1/22
酸素マスク、心拍計、酸素測定外れる。
飲水許可
歩行練習、足マッサージ外れる。

 

1/23
栄養ドリンク開始
尿ドレーン外れる、最初の尿は計測。
歩行訓練14:00から。その後1人での歩行許可が出る。
18:00 1人で歩行。傷が痛い。
19:00ガスが出始める。

 

1/24
一人で歩行
採血
痛み止めが錠剤にかわる。
6:00過ぎから便が出始める
この日は25回くらいトイレに行く。
まだ、栄養ドリンク。
15:00レントゲン、そのついでに歩行。

 

1/25
6:00歩行。
8:00歩行。
研修医から、粥食にならない理由を説明してもらった。「まだ食べると吐くんじゃないかと心配している」との説明あり、納得。
11:30歩行。
15:00歩行。

 

1/26
9:00歩行。
9:30傷のチューブが抜ける。
とにかく頻繁にトイレ通い。
ほぼ眠れない。

 

1/27
五分粥食始まる。
11:00と16:30に歩行。
11時まで水下痢が続くも、それ以降は穏やかに、15:00の便はやや固形っぽさも出てきた。頻便は続く。

 

1/28
夜中も頻便
8:00歩行
シャワー許可出る。

その後は経過を見ながらの入院生活を過ごし、1/30(術後9日目)に退院しました。

手術後、腸の動きがよくなかったため、標準的な入院期間より1日長い入院期間での退院となりました。

 

直腸GIST摘出後の一時ストーマ(一時人工肛門)生活

 昨年9月に直腸のGISTを超低位前方切除術で摘出・一時人工肛門(小腸)を造設した後、今年1月に人工肛門閉鎖をするまでの間、4か月間ストーマでの生活を送りました。その間の生活を簡単に振り返りたいと思います。

 

1.漏れは就寝中の1回のみ、概ね生活に困らない。

 GIST摘出後の入院中に看護師団が本当によくストーマ装具の選定をしてくださったおかげで、概ね生活に苦労することはありませんでした。生活の制限も「うつ伏せで眠れない」という程度しか記憶にありません。いざという時に備え、最初のパウチ交換時に妻に交換の仕方を見てもらいましたが、妻が私のストーマを見たのはこの時だけで、その後は誰にも手伝ってもらうことはありませんでした。

 ストーマでの生活中に飛行機移動・ホテル宿泊での千葉の病院への診察も一人で経験しましたし、九州から関西へのJR移動での出張も経験しましたが、特に問題になることはありませんでした。外食も全く気を遣わずにできました。ガスの音が目立つような非常に静かな場所での飲食は難しいかもしれませんが、そんな格式高いところにはいかないので問題はありませんでした。

 ただ、就寝中に一度だけパウチが満タンになったのに目が覚めず、パウチがパンパンになって行き場をなくした便が面板と肌の間から大漏れするということを経験しました。面板が剥がれる時の痛みですぐに起き上がり浴室に向かいましたが、間に合わず、ももひき・パジャマを汚してしまいました。

 パウチ交換は2日に1回交換。この後に書く2度目の肌トラブルの後の1週間は毎日パウチ交換を行いました。。私の場合は起床後から午前11時までの排便量が少なかったので起床後すぐにパウチを交換していました。交換中に排便があったこともありましたが、都度洗い流し、拭き取ることで大きなストレスになることはありませんでした。ラッキーなことに、パウチを貼る寸前に排便があったことは一度もなかったため、パウチをダメにすることはありませんでした。排便量が少ない時にパウチを交換すれば大きなストレスを受けることになることは少ないともいます。

 

2.皮膚トラブルに苦しんでしまう

 皮膚トラブルは一進一退でした。大きく悪化したのは2度、一度悪化すると治るのに時間を要しました(結局完全に皮膚が良くなることはありませんでした)。2度に共通することは、パウチ交換を3日おきに変更してからすぐに生じたということでした。おそらく「目に見えない程度でパウチの面板と皮膚との間に便が入り込んでしまっていたのかなぁ。」と思っています。

 1度目の皮膚トラブルは退院後3週間経った頃。退院直前のパウチ交換時に看護師から「これであれば3日おきのパウチ交換で大丈夫そうですね」と言われていたのですが、会社にいる間に漏れては心折れそうなので、2日に1回の交換で何事もなく過ごしていました。しかし、何も問題が起きなかったため、10月下旬にパウチ交換を3日に1回に変更したら、すぐに皮膚トラブルが出ました。とにかく痛い。そして、その後39℃を超える熱が出ました。今考えると「感染していたのかな?」と思います。熱は2日間で下がり、痛みもマシになりましたが、痛みは完全のは取れず面板下の皮膚も赤紫色に変色し、皮膚の一部に穴が開いて膿が出る状態になりました。後で知ったことなのですが、「皮膚の一部に穴が開いて膿が出る状態」になると熱が下がり、痛みも和らぐようです。パウチ交換のたびに膿を出し切ることが大事とのことで、それを実施しましたが、生活に悪影響があるほどではありませんが、完全に良くなることはありませんでした。

 2回目の皮膚トラブルは12月末でした。この後に書きますが、12月上旬にストーマ部の閉塞で入院した際にストーマ看護師にパウチ交換を見てもらった際に「これだったら3日間パウチ持ちそうだね」ということをおっしゃって頂き、2日おきにパウチ交換していたのを3日おきにした途端、またもや皮膚トラブルが。前回の痛みよりも激しく、病院に電話をし、その日のうちに診察してもらいました。ストーマ看護師も「皮膚トラブルがここまでひどくなるのは珍しい」ということでリンデロンという塗り薬を処方してもらいました。この薬を塗るのと、パウチ交換を毎日行うことで、皮膚の痛みはなくなり、徐々に皮膚は治っていきました。

 私の場合、看護師さんの見立てよりも皮膚が弱かったらしく、パウチ交換を3日おきに変えることが悪さをしたようです。

 

3.ストーマ部の腸閉塞による入院を経験する

 術後2か月少々が過ぎた12月上旬。月曜日の夜から激しい下痢が始まり、下痢が治らず、焦りながらも今まで通りの生活をしていましたが、下痢は治らず。そして金曜日に下痢が収まったものの、その後、便もガスも全く出なくなり。土曜日もお腹の張りを感じながら一日中ゴロゴロしていましたが、排せつはなく、そして土曜日から日曜日に差し掛かる夜中に嘔吐してしまいました。「腸閉塞なんだろうなぁ。歩けば腸が動いて便が通るかなぁ?」と思い、深夜の散歩に出かけましたが、散歩しながらまた嘔吐、お腹の張りも我慢できなくなってきて夜が明けるのを待って(「夜間緊急外来も夜中はゆっくり休みたいかなあ」と無駄な配慮)、朝6時に病院に電話し、当直ドクターから「すぐに来てください」ということで、通院。採血・レントゲン・CTの結果、「腸閉塞」の診断となり、すぐに入院しました。

 脱水症状も激しく、その日は絶食・点滴で様子を見ましたが、一向に改善しないまま月曜日を迎えました。主治医の見解は「ストーマの直前で詰まっているので、ストーマからチューブを入れてみよう」ということで処置してもらうと、チューブから便とガスが出るわ出るわ。無事閉塞解消です。その後は食事を栄養ドリンクから始め食事内容を重くしていきながら様子を見て、無事1週間で退院しました。あとで調べると、どうやら長引いた下痢のせいで腸がむくんでしまい、閉塞した模様です。下痢の時点で通院すべきでした。

 下痢の原因は…、今考えると「疲れていたのかなあ?」と反省しています。ストーマ閉鎖後の今でも週末に疲れがたまると下痢気味になるので、疲れと下痢はリンクしているように思えます。

 「もう少し仕事をセーブしておいたほうがよかったのかな?」と思っています。

 

 皮膚トラブルとストーマ閉塞の内容が多くなりましたが、皮膚トラブルは痛みがあった時期もありましたが、仕事や外出に影響が出るほどではありませんでしたし、ストーマ閉塞も1週間のロスだけでしたので、それ以外の時間は普通に楽しむことができました。

 

遠方で手術を受けるということについて

 私は腫瘍の摘出を千葉県にある病院で受けました(私自身は九州在住)。妻と5歳・1歳の娘との4人暮らしの中で、遠方である千葉の病院で手術できるのか?「GISTの手術は経験豊富なドクターのいる病院で」というのはネットや患者仲間からのアドバイスで十分心得ていましたが、特に経済的な面で不安があり、最後まで悩みました。

 そんな私を千葉の病院で手術を受けるよう背中を押してくださったのは、大きく御二人の恩人の言葉でした(その他にも私の背中を押してくださった方はたくさんいましたが、その中でも「この御二人は」という御二人です)。

 

 一人目は、GIST患者会主催の勉強会で個別相談を受けてくださったGIST専門医の方です。7月にネオアジュバントが不発だったと発覚した翌日が運よく勉強会だったのですが、そのGIST専門医の個別相談会で言われたことは、

「正直、私も『どこの先生が腕がいいか?』というのはわからないので『この病院で手術を受けることを勧める』ということはできません。ただ、ご自身で懸命に任せることができそうな病院を探してください。2か所でも3か所でも4か所でも、納得ができるまで日本中の病院を探してください。入院はたった2・3週間で終わります。それが一生を左右するのであれば、とにかく納得できる病院を探してそこで受けるべきです。」

 

 そして、もう一人は私がいつもアドバイスを求める患者仲間の方(GIST患者の奥様で医療従事者の方です)でした。9月に「千葉の病院で手術を受けたい。でも本当に受けることができるのか?」悩んでいた時に、この方がおっしゃったのは、

「大丈夫。お金のこととか、家族のこととか、仕事のこととか、いろいろ心配だと思うけど、そういうことは無事手術が終わった後に、きっといい結果がついてくる。お金とか家族とか仕事とか、なんとでもなると思っておいたほうがいい。」

 

 結局この御二人の言葉に背中を押してもらって、最終的に千葉の病院での手術を受け、うまくいきました。本当に感謝しています。

 

 ただ、手術には身内の待機が必要であり、そこは悩みました。妻に同行してもらうと、娘二人も同行する必要があり、経済的に大変なことになるかなと。そこで離れて住んでいる母親に千葉への動向をお願いしました。母親の千葉滞在は4泊5日。交通費およびホテル代で7万円+食事代くらいかかりました。

 退院時は付添いはお願いせず、私一人で千葉から九州まで帰宅しましたが、これも本当に良かったのか?決して他人にお勧めできることではありません。

 

 あと、この千葉の病院は退院の条件に「地元に帰った後になにか問題が起こった場合に『この病院が診てくれる』という病院と連絡を取っておくこと」というのがあります。私は地元の主治医とそこそこうまくいっていたので、そこの病院に電話し、術後フォローをお願いしたい旨を伝え、了承してもらったことで、無事退院できました。

 

 また、入院中に何かあった場合、家族に千葉に来てもらう必要があるというリスクもあります。私の場合は運よくそういう事態になりませんでしたが、万一の事態に備えておく必要があります。

 実際、私と同室の患者さん(かなりご年配)、急に容体が悪化しICUに運ばれて行きました。その際、ドクターが「すぐに家族を呼んで!」というドラマのようなシーンも目の当たりにしてしまいました。

 

 「そのあたりのリスクも考慮しながら、遠方での手術について、どういう風に対応するか慎重に検討する必要があるのかなぁ。」と思います。

 

 

直腸GIST摘出手術(超低位前方手術)後の入院生活

うーーん。もう2019年3月。ブログで書いてることは去年の9月のこと。いまだに多いときは1日に100件を超えるアクセスを頂くこともあり、GISTの治療について興味がある方もいらっしゃるようですので、ゆっくりペースではありますが、ブログ作成が滞ってしまいましたが、GISTの治療などの実績だけはブログに残していきたいと思います。

 

前回ブログでは手術当日のことを書きました。今回はその後の入院生活のことを簡単に書きたいと思います。

 

 ↓前回ブログはこちら

 

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 9/27に手術を受け、その日は夜遅くまで興奮して眠れなかったというところまで、前回のブログで書きました。今回のブログではその後を書きたいと思います。

 

 9/28(術後1日目)

手術当日の夜は何度もナースが見回りに来てくれて心強かったです。「寝返りしていいですか?」の質問に「いいですよ」と答えてくださり、また背中の下に入れるための枕を貸してくださり、楽でした。

 7:00に心電計、酸素マスク、血圧計、酸素モニターが外れました。この時点で体に残っているのは、点滴、フットマッサージ機・尿ドレーン・ストーマドレーン・腹腔ドレーンだけになりました。

8:00に採血がありました。

その際、ナースが「腹腔ドレーン(おなかの中にたまった血液や滲出液を排出するドレーン)からの出血が多い」とおっしゃまいしたが、こういうことにいちいち敏感になってしまい、不安になってしまいます。

9:30に最初の歩行練習があり、ナース付添いで20mほど歩いたでしょうか。思いのほか辛くなく、さくさく歩くことができました。その際にフットマッサージ機も外れました。

11:00 飲水開始。

15:00 歩行練習。70m近く歩いたと思います。付添いで千葉に来ていた母にこの姿を見せて、「もう九州に帰っていいから」と伝えました。ここからは、身内は関東圏にはいなくなってしまいます。

この歩行練習の後、疲れからか?寝入ってしまいました。その後、熱が上がり、38.7度まで上がりました。毛布と布団をかけて寝ていたため暑くてたまらなかったのですが、ベッドのテーブルがロックされているため身動きが取れず、布団を外せなかったのでナースコールを押してしまいました。今回の入院で唯一ナースコールを押した時でした。

布団を脱ぐと熱が下がっていき、少し体が楽になってきました。

21:00 痛み止めの点滴が終わる。ナースから「これから痛みが出るかもしれないから、遠慮せずにナースコールを押してください」と言われました(が、結局大きな痛みはなく、ナースコールを押すことはありませんでした)。

この日の夜中3:00くらいに残した肛門からおならが出ました。なんの前触れももなくおなら漏れです。神経がマヒしているのか、便なのかおならなのかの区別もできず、「こりゃ人工肛門閉鎖後は大変なことになるな」と痛感した瞬間でした。

 

9/29(術後2日目)

一人で歩行訓練を始めました。この日は3回歩きました。

この日の朝から、ようやくストーマからガスが出始めました。

そしていよいよ11:00から初めてのパウチ交換。いろいろ指導を受けながら交換を覚えていきますが・・・、途中で気分が悪くなり説明を聞くのを断念。パウチを貼るところは看護師さんに行ってもらいます。気分が悪くなった原因は、ストーマを受け入れられなかったのでなく、腸が張っていたからのようです。すぐにドクターを呼んでもらってエコーで調べてもらった結果、腸がかなり張っていたようです。その後、14:00までベッドでうたた寝しながら腸張りによる腹痛に耐えていると、ストーマからようやく便が出始めました、それも大量に。一通り便ができったところで腹痛がなくなりました。

14:00 この日から栄養剤の服用が始まりました。腹痛がなくなったので、歩いたり着替えをしたりして、その後点滴の針を交換して一日を終えました。

 

9/30(術後3日目)

 この日は朝採血を行ってから特にやることもなく。全粥色が始まったことくらいがイベントでしょうか。ストーマからの排便多いため、整腸剤2錠を毎食後飲み始めました。ドクターがおっしゃるには「排便量が落ち着くまで毎日のように飲み薬を増やしていくから。最終的には驚くような薬の量になるけど大丈夫だから」ということでした。歩行訓練は続行しつつ、夕方洗濯をして一日を終えます。

 

10/1(術後4日目)

 尿ドレーン、ストーマドレーン、腹腔ドレーン、点滴がまだ外れていないので、寝返りとかに気を使うため、激しい肩こりと腰痛に悩まされます。歩行訓練に加え、ストレッチ体操を始めました。この日くらいから歩行訓練量は1日に5kmを超えるようになりました。

 排便量は収まらず、この日から新たに止痢剤を毎食後2錠追加になりました。

 そういえば、この日も朝の回診時に肛門から指を入れて傷の状態をチェックしてもらいました。これは毎日行ってくださることで、患者としてはとても安心できることで、ありがたいことでした。

 この日もストーマ交換を行いました。パウチを外すところまでは自分で行い、パウチ取り付けは看護師に行ってもらいました。少し要領を覚えることができました。パウチ交換は2日に1回、都度パウチの種類やシールの種類や量を変えたりして最も体に合ったものを探してくれます。

 

10/2(術後5日目)

 腰が痛くて眠れませんでした。

 この日は大きなイベントがありました。尿管撤去後の排尿テストです。前日に聞かされたんですが、尿管を撤去した後にきちんと排尿できるか排尿量とエコーによる残尿量の確認をあります。「100ml以上排尿出来ていて、残尿量が100ml以下なら合格、3回連続で合格出来たら排尿機能に問題がないとして合格。排尿がすくなたったり残尿が多かったら、自己導尿(膀胱まで管を通し排尿する)が必要。」ということで、自己導尿は痛そうなのでできれば避けたく、ドキドキです。ドクターの説明では「多分大丈夫だと思うけど、左側の神経を少し切ったんで排尿障害が出る恐れもある。」とのこと、さらにドキドキが募ります。

 10:00に尿管が外れ、12:00くらいに尿意が出てきました。しかし「100ml溜まっていなかったら自己導尿だし、少し我慢するか。」と1時間我慢。13:00に1回目の排尿確認、出るわ出るわで排尿量535ml、残尿39ml、合格。危うく膀胱炎になる寸前だった模様の排尿量だったようです。

 2回目は14:00。点滴の量が多かったせいか、すぐに尿意が出ます。排尿425ml、残尿32ml、合格。

  さらに1時間後に3回目の排尿。排尿量415ml、残尿量98ml、残尿量がギリギリでしたが、なんとか合格でした。「あと2ml残尿が多かったら・・・、」と冷や冷やものでした。

 この日さらに薬が2錠増え、毎食後6錠の薬を飲むことになりました。

 尿管が外れ、また尿の量もしっかりしてきたため点滴も終了。残りは便のチューブとおなかのドレーン管のみです。寝返りも打ちやすくなり、体も楽になってきました。ただ、尿量の計測は毎回行う必要があります。

 

10/3(術後6日目)

 排便量が落ち着いてきたので、朝の5:00に便のチューブが外れました。これで点滴棒とお別れです(おなかのドレーン管の袋は首からぶら下げています)。便もパウチから捨てるたびに量の計測は必要です。

 ストーマのパウチを交換しましたが、なかなか装具のいい組み合わせが見つからないようで、看護師が数人でああでもないこうでもないって相談してくれてました。ありがたいことです。

 

10/4(術後7日目)

 この日から外(敷地内)を散歩するようにしました。やはり外は気分がいいです。そして、この日からグリベックを再開しましたが、特に問題は起きませんでした。

また、お腹のドレーンが抜け、体からすべての管が外れました。

 

 この日、ドクターから「明日退院する?」と聞かれました。自身としては早く九州に帰りたい気持ちがあったのでうれしかったのですが、看護師長の「まだストーマ装具ががちゃんと決まってないし、装具交換もまだ完璧じゃないから。」と判断で退院が先延ばしになりました。正直、ほっとしました。しっかり休んでから退院したいという気持ちも強かったので。

 

10/5(術後8日目)

 尿計測はこの日で終わりました。

 この日からすることがなくなりました。毎日外を散歩して、2日に1回ストーマ装具を交換するだけの毎日です。

 

10/10(術後13日目)

 無事退院です。調子もいいので、一人で帰宅です。「飛行機に乗ってる時に便漏れが起きないか?」など不安もありましたが、無事自宅に到着しました。

 

 

2018/9/27 直腸GIST摘出手術

バタバタしているうちに、随分ブログの更新を怠りましたが、私のGIST治療のその後を書きたいと思います。

 

前回ブログで千葉県内H病院での初診+術前検査を行ったことを書きました。

 

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その後、病院から電話があり、9/25入院、9/27手術ということに決定しました。想定される範囲で最速のタイミングでの手術ということで、準備が多少慌しかったのですが、「一刻も早くGISTを摘出できる」との嬉しい思いのほうが強く、「ラッキー!」という思いでいっぱいでした。

 

9/23に無事娘の運動会を見届け、9/24に千葉へ移動、9/25 10:00に無事入院手続きを終え、その日は積み残しの術前検査を終え、夕方、主治医(=執刀医)から手術説明を受けました。

説明の内容は大まかに下記の通り(説明の書類をなくしてしまいました…)。

・膀胱や肛門など基本的に残す方向で考えている。手術中残すのが無理だとなれば、その時は永久人工肛門・膀胱を増設する。ただし、肛門を温存した場合でも、一時人工肛門は増設する。

・手術は、経肛門内視鏡手術を併用する腹腔鏡下低位前方手術を予定しており、従来手術の半分の時間(8時間→4時間)で終えることができると考えている。この手術は本病院で300件以上の実績があり、世界でもトップクラスなので安心してもらっていい。

・入院期間は2~3週間を予定している。

・術中および術後に合併症を発症し、最悪死亡することもありうる。

 

私としては、説明してくださった主治医の先生にすべてお任せするつもりでしたので、特に物申すこともなったのですが、「私が一番大事に思っているのは『肛門を残すことではなく、GISTを確実に摘出する』ことなので、厳しいと思ったら遠慮なく永久人工肛門にしてください。」「手術時間も長くなっても頑張るので、丁寧な手術をお願いします」と、今考えてみれば大変失礼なお願いだけをして主治医説明を終えました。

 

入院後は絶食です。下剤も飲んでできるだけおなかを空っぽにします。

手術前日からは、点滴が始まり、おへその掃除を行い、手術に向け準備します。

 

手術当日は冷静に迎えましたが、1点だけ不安が…。「まだ、うんちが出る。すべて出しきれていない」。腸を空っぽにしないと手術できないと思い込んでいた私は恐る恐る看護師に「まだ便が残っているみたいなんですが…」

看護師さんは笑いながら「残ってても大丈夫なんですよぉ」って。あぁ、やっと最後の心配事も消えた(^^) これで心置きなく手術を受けられます。

 

手術着に着替え、9:00前に手術室に向かいます。不思議と緊張は全くありませんでした。自分が一番信頼できると考えた執刀医に手術をしてもらえることになったんですから、不安は一切ありません。

 

手術台で最後の本人確認をされて、麻酔を始められて、・・・、そして目が覚めました。第1声「今何時ですか?」の質問に、「12:30ですよ。」と。

早い、早すぎる。これはドラマとかでよく見る「開けてみたけど手をつけることができなかった」ってやつか?嫌な予感がし、「腫瘍取れなかったですか?」と質問しましたが、看護師さんは「いや、予定通り終わりましたよ」と。

ほっとしました。それにしても早い!4時間の予定と聞いていたのですが、結果的には2時間40分で手術完了とのこと。うーん、さすが!

少しゆっくりして、14:00には一般病棟に戻りました。それまでに付添の母は執刀医の説明を受けたとのことで、「手術は予定通り終了。2時間40分。出血量110ml、輸血なし。肛門・尿路温存、一時人工肛門増設」と簡潔な説明があったそう。

 

母はあまりに早い手術終了に気が抜けたらしく、15:00過ぎには「昨日眠れんかったし帰るわ。」と早々に帰っていったのでした。

 

痛み止めが効いているため、痛みもほとんどなく、看護師に許可を得たうえで、スマホを触り始め、LINEで方々に報告したり、ネットサーフィンしたりと、思いのほか元気な手術後でした。

 

体には心電計、酸素マスク、血圧計、酸素ミニター、フットマッサージ機、尿ドレーン、傷口ドレーンがついています。

 

21:00頃、執刀医の一人の若い先生が様子を見に来てくださり、手術についてドクターから手術の様子を伺うことができました。先生のおっしゃったことは、

・あっという間に終わったよ。

・普通の病院だったら8時間コースの手術なんだよ。

・お腹から3人、肛門から2人がアクセルする高度な手術で、お腹からだけだともっと広範囲に切除しないといけないから肛門を残せないかもしれない手術だったんだよ。

・今回はうまくいって、肛門括約筋も切らずに済んだ。だから機械縫合ができたんだよ。

・腫瘍が思ったより大きくてね。最初にあけたお腹の穴から出ずに、最後に穴を大きくしたんだよ。

・心配していた播種は見る限りなかったよ。

・うちの病院を選んでよかったね。明日から積極的に動いてもらうからね。

 

最後の言葉は本当にジーンときました。遠くてもこの病院に来て本当に良かった。患者仲間から「初発手術が一番大事」と口が酸っぱくなるほど言われてたことを守って本当に良かった。

その夜は興奮して、夜中の2:00くらいまで眠れなかったのでした。

 

千葉県内H病院初診

 前回日記に書いたセカンドオピニオンを受け、候補にあげてくださっった病院の中から手術をどこで受けたいかざっくり検討。そして千葉県内某病院(H病院)で手術を受けることを第1希望に決めました。遠方での手術は、「付き添いを誰にお願いするか?」と「退院後、飛行機でちゃんと帰れるか?」とかいろんな面で不安ばかりでしたが、患者会の先輩の意見なども参考に「なんとかなる」と自分に言い聞かせH病院で手術を受けることに決めました。

 早速、セカンドオピニオン翌日に地元病院に電話。直近で外来予約できる日を確認→1週間後のの外来を予約。
せっかくなら、もう一つの懸案であった歯の治療(手術に向け埋没親知らずを抜くべきかかかりつけ歯科が悩んでいた)についても「同じ日に地元病院で診てもらいたいなあ」ということでかかりつけ歯科に電話して、地元病院の予約を取ってもらうことに。

 1週間後、久しぶりに妻に付き添ってもらって地元病院受診。H病院への転院相談となるため、主治医が怒らないかドキドキしながらの受診でした。主治医にセカンドオピニオン先からの手紙を渡し、H病院のI先生のお話を聞きたいとI先生宛てに紹介状を書いていただくことに。その後、手術のことをいろいろ教えて頂き、懸念していた術後フォローについても快諾してくださり安心して主治医診察を完了。
 「早ければちょうど1週間後にH病院を受診したいのですが、紹介状は準備して頂けますか?」との私からの質問に「また画像データ一式準備しないといけないから、どうかなぁ。」との回答。確かに、この病院のドクターはみんな忙しいようで、紹介状とか書く暇もなかなかない様子。「セカンドオピニオンで持っていったCD返して頂いて今日持ってきたんですが、それは使えますか?」と私が言うと、すごくにっこりして「じゃ今から紹介状作りますよ!」と快諾。ゴミとわかっていても物を捨てることができない私の貧乏根性がこんなところで役に立ちました。

で、歯科診察。ドクターの判断では「私も手術前の患者の診療をよくしているが、今回の場合は親知らずは抜く必要ないと思います。手術までしっかり歯磨きしておいてください。ただ、H病院で抜歯を指示されたら、うちで急患扱いで抜歯するから遠慮せずに電話してください。」とのことで、親切にして頂き、診察終了。

同日中に、H病院の初診予約(遠方からの受診なので、できれば当日出来るだけの検査を受けたいことも伝え)を完了し、この時点で10:30。早すぎる。この日は1日有給を覚悟していましたが、結局昼から仕事へ。

翌週月曜日にH病院予約センターから電話頂き、「初診の後、術前検査やらMRIやら出来るだけ多くの検査を詰め込みました。」とご親切な連絡を受けて、一安心。

翌火曜夕方、仕事を終えた後、千葉へ移動開始。台風による「折返しの可能性ありの条件付飛行」でしたが、揺られながらもなんとか千葉到着。これは地味に疲れました。

翌水曜日H病院のI先生初診。もうI先生に全てを託す気持ちで診察にのぞんだので、こちらからは「肛門温存はほぼ諦めているので腫瘍をしっかり摘出して下さい」とお願いするのみ。
I先生のおっしゃったことは、
・直腸GISTは結構多くやっているから安心していいよ。
・ネオアジュバントで腫瘍が小さくならないケースって結構多いから「こんなもんだ」と考えてた方がいい。
・肛門も残す方針で手術に臨む。
・手術は10月上旬から中旬に予定。早ければ9/25に入院してもらうこともあり得る(9/23は娘の運動会を是非見たいとの私からのお願いを聞いてくださった形)。
・入院は2〜3週間の予定。
・歯科については、地元でちゃんと診てもらってるんんだったら特にH病院で検査は不要。
ということで、20分くらいで終了。H病院って、患者への説明メモの控えをくれるんです!この親切さには驚きました。
 で、私からの「次はいつきたらいいですか?」の質問に「何回も来るの大変でしょ?」とのことで、「今日既にオーダーしている諸々の検査の他にCTも追加しよう。明日までいられるんだったら明日内視鏡検査と手術準備外来受けてもらって、そしたら次手術の時に来てくれればいいよ。」とのことで、かなり強引にCTと内視鏡検査のオーダーをしてくださり、急遽もう一泊することに決定。術前にあと1〜2回は千葉にこないといけないと覚悟していたので、この寛大な対応は本当にありがたい。
当日は採血、レントゲン、心電図、CT、MRIを受け、ホテルへ。
MRIとCTは造影するので昼食は抜き、翌日内視鏡なので、夕食は「おかゆかうどんかプリンだけ」ということで、プリンを2個だけ食べて就寝。おなかペコペコです。

 翌日は便を全て出し切ってから病院に8:30に来て下さいということで、5:00起きで下剤服用。もちろん朝食も抜き。ヘロヘロです。
 朝、内視鏡検査を終え(ポリープが一つ見つかり切除してもらいました)、ここから3時間の待ち時間。普段であればネットを見ながら時間を費やすのに、その気力がない。H病院の食堂でラーメン食べたあと、ぼーっとテレビを見ながら時間を浪費することに。
そして、15:00過ぎに手術前外来を終え(この時気力が尽き果てたのを感じました)、羽田空港へ。羽田空港でラーメンチャーハンセットを食べ、それでも満たされないので、蕎麦屋かき揚げそば大盛り完食。

 

 本当に疲れたH病院初診(および術前検査)でしたが、とても充実した内容でありがたかったです。次に千葉に来るときはいよいよ手術。「手術前に食べたいものを全て食べておこう!」と決心したのでした。